パソコンのウイルス対策ってなにをすればいいのかな?
もしウイルスに感染しちゃったらどうすればいいの?
パソコンを使う上で、ウイルス対策は避けて通れない問題です。しかし、ウイルス対策や感染時の対処法がわからず、不安を抱えている方も多いです。
この記事では、パソコンのウイルス感染の概要や対処法、予防策について解説します。
パソコンを使うなら、ウイルス対策の基本と対処法はおさえていきましょう。
パソコンのウイルス感染の概要
コンピュータウイルスは、インターネットを通じて急速に広がる悪意のあるプログラムです。
ウイルスにはさまざまな種類があり、常に進化しているため、対策も難しくなっています。完全な防御は困難ですが、適切な対策が不可欠です。
コンピュータウイルスの主な種類
コンピュータウイルスにはさまざまな種類があります。
主なウイルスは以下のとおりです。
ウイルスの種類 | 特徴 |
---|---|
トロイの木馬 | 正規のソフトウェアに偽装して侵入し、バックドアを開く |
ワーム | 自己複製して他のコンピューターに感染を広げる |
ランサムウェア | ファイルを暗号化し、身代金を要求する |
スパイウェア | ユーザーの個人情報や行動を密かに収集する |
アドウェア | 不要な広告を表示させる |
ルートキット | OSの深部に潜み、検出を回避する |
キーロガー | キーボード入力を記録し、パスワードなどを盗む |
ボットネット | 感染したPCを遠隔操作し、大規模攻撃に利用する |
フィッシング | 偽のウェブサイトでユーザーの情報を騙し取る |
ダウンローダー | 他の悪意あるソフトウェアをダウンロードしてインストールする |
» トロイの木馬とウイルスの違いとは?それぞれの特徴と対処法
こんなに種類があるのかー
ウイルス感染は、パソコンにさまざまな被害をもたらします。適切な対策でウイルス感染を防ぎましょう。
ウイルスとマルウェアの違い
ウイルスとマルウェアは、どちらもパソコンに害を与えるプログラムですが、性質に違いがあります。
ウイルスはマルウェアの一種で、自己複製して他のファイルに感染します。マルウェアは悪意のあるソフトウェア全般を指す言葉です。ウイルスには常に悪意があり、感染力が高く、他のファイルやプログラムに依存します。
マルウェアにはさまざまな種類があり、必ずしも感染力が高くなく、独立して動作できる点が特徴です。ウイルス対策ソフトでは、ウイルスだけでなく多くのマルウェアも検出できます。しかし、マルウェアはシステム全体を標的にするケースがあるため、ウイルス対策だけでなく総合的なセキュリティ対策が必要です。
パソコンがウイルスに感染する主な原因
パソコンがウイルスに感染する主な原因は、以下のとおりです。
- メールの添付ファイルからの感染
- 不正なWebサイトの閲覧による感染
- ソフトウェアのダウンロードによる感染
- USBや外付けハードディスクからの感染
上記の危険性を把握しておくと、知らないうちにパソコンをリスクにさらす可能性を減らせます。
» リスク回避!ウィルスが検出されましたと警告が出た時の対処法
メールの添付ファイルからの感染
メールの添付ファイルからのウイルス感染率が高く、注意が必要です。添付ファイルを開くだけでパソコンがウイルスに感染する可能性があります。知らない人からのメールや、急に届いた見覚えのないメールの添付ファイルは開かないようにしましょう。
添付ファイルの中でも警戒が必要なのは、実行ファイル(.exe)と圧縮ファイル(.zip)です。ウイルスが含まれている可能性が高いため、解凍の際は注意が必要です。安全に添付ファイルを扱うために、自動プレビュー機能を無効にし、不用意にファイルを開かないようにしましょう。ウイルススキャンの実行も有効です。
添付ファイルを開く際は拡張子を確認し、信頼できる送信者からのメールかどうか確認しましょう。
不正なWebサイトの閲覧による感染
不正なWebサイトの閲覧には、パソコンをウイルス感染させるリスクがあります。悪意のあるサイトが巧妙な手口でユーザーを騙し、ウイルスをダウンロードさせようとします。以下の操作はウイルス感染の可能性があるため、注意が必要です。
- 不審なポップアップ広告のクリック
- フィッシングサイトや偽サイトでの個人情報入力
- 信頼できないサイトからのファイルダウンロード
ソフトウェアのダウンロードによる感染
ソフトウェアのダウンロードでウイルス感染する可能性があります。安全なダウンロード方法を把握して、感染リスクを減らしましょう。有効なウイルス対策は以下のとおりです。
- 公式サイトからダウンロードする
- P2Pファイル共有ソフトの使用を避ける
- ポップアップ広告は無視する
- ブラウザの設定で自動ダウンロードを無効化する
ファイルをダウンロードしたときは、必ずファイルの拡張子を確認しましょう。実行ファイルの拡張子(.exeなど)には注意が必要です。以上の注意点を守ると、ソフトウェアダウンロードによるウイルス感染リスクを減らせます。
USBや外付けハードディスクからの感染
USBメモリや外付けハードディスクからウイルス感染するケースが多く、注意が必要です。ウイルスに感染したUSBメモリや外付けハードディスクをパソコンに接続すると、自動実行機能で感染が広がります。USBメモリや外付けハードディスクを扱う場合は、以下の点に注意してください。
- 出所が不明なUSBメモリは使わないようにする
- 他のパソコンで使用した場合は接続前にウイルスチェックをする
- 自動実行機能をオフにする
- 定期的にUSBデバイスのウイルスチェックを実施する
- 重要データを暗号化する
上記の対策により、USBや外付けハードディスクからのウイルス感染リスクを減らせます。会社や学校など、多くの人が使うパソコンでUSBを使う場合は十分に注意してください。
パソコンがウイルスに感染した場合の症状
パソコンがウイルスに感染すると、さまざまな症状が現れます。主な症状は以下のとおりです。
- パソコンの動作が遅くなる
- 頻繁なクラッシュやフリーズが発生する
- 不正なポップアップや広告が表示される
- ファイルが消失または変更される
上記の症状が見られる場合、ウイルス感染の可能性があります。
パソコンの動作が遅くなる
パソコンの動作が遅くなる症状は、ウイルス感染の兆候です。以下の処理速度が普段よりも遅いと感じたら、ウイルスに感染している可能性があります。
- アプリケーションの起動や処理
- ブラウザの動作
- システムの起動や終了
- ファイルの読み込みや保存
処理速度の他にも以下の症状が現れる場合があります。
- CPUやメモリの使用率が異常に高くなる
- タスクマネージャーで見覚えのないプロセスが動作している
- ハードディスクのアクセス音が頻繁に聞こえる
- 空き容量が急激に減少する
- ネットワークが遅延するなど動作が不安定になる
上記のような症状が1つでも見られる場合は、ウイルス感染を疑いましょう。早めの対処で被害を最小限に抑えられます。
頻繁にクラッシュやフリーズが発生する
パソコンがウイルスに感染すると、頻繁にクラッシュやフリーズが発生する可能性があります。ウイルスがシステムリソースを消費したり、重要なファイルを破壊したりするからです。
以下の症状が現れる場合は要注意です。
- 突然のシャットダウンや再起動
- アプリケーションの予期せぬ終了
- ブルースクリーン
- マウスやキーボードの無反応
- システムの極端な遅延
上記の症状が頻繁に発生する場合、ウイルス感染の可能性を疑ってください。
ただしウイルス感染だけが原因とは限りません。
ハードウェアやドライバーの不具合などでも同様の症状が起こるケースがあります。クラッシュやフリーズが頻発する場合は、セキュリティソフトでウイルススキャンを実行してください。
ウイルスが見つからない場合は、システムの最適化やハードウェアのチェックなど、他の原因を探りましょう。
不正なポップアップや広告が表示される
不正なポップアップや広告が表示される場合は、ウイルス感染の可能性があります。ウイルスに感染している際の症状として、以下が挙げられます。
- 不審な広告やポップアップが表示される
- ホームページが変更される
- 新しいツールバーが表示される
- 異常な検索結果が表示される
上記の症状が見られる場合は、パソコンがウイルス感染している可能性が高いです。注意が必要なのは、アダルトコンテンツや詐欺広告が表示される場合です。不正なポップアップや広告はユーザーの作業を妨げるだけでなく、個人情報の流出やさらなるウイルス感染のリスクも高めます。
ブラウザの設定を変更しても元に戻ってしまったり、広告ブロッカーが効かなくなったりする場合もあります。症状が続く場合は、早急な対策が必要です。放置すると、パソコンの動作が遅くなるなど、他の問題に発展する可能性があるので注意してください。
ファイルが消失または変更される
ウイルスに感染すると、ファイルやフォルダが消失したり変更されたりする場合があります。ウイルスに感染した際に発生する現象は以下のとおりです。
- 重要な文書や写真が削除される
- ファイル名や拡張子が変更される
- ドキュメント内容が書き換えられる
- 不明なファイルが作成される
- ファイルが暗号化される
上記の症状が見られた場合、ウイルス感染の可能性が高いです。ランサムウェアと呼ばれる種類のウイルス感染では、ファイルが暗号化されて身代金を要求されるケースがあります。データの消失や改ざんは、仕事や日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
定期的なバックアップで、万が一のときのデータ復旧に備えましょう。
パソコンがウイルスに感染した場合の対処法
パソコンがウイルスに感染した場合は、迅速な対処が必要です。感染の拡大を防ぎ被害を最小限に抑えるために、以下の手順で対処してください。
- ネットワークから切断する
- セキュリティソフトでウイルススキャンを実行する
- パソコンを初期化する
- 専門業者に依頼する
状況に応じた、冷静かつ適切な対処が必要です。
ネットワークから切断する
パソコンがウイルスに感染した場合、最初に行うべき対処法はネットワークからの切断です。
ネットワークから切断すれば、ウイルスの拡散や個人情報の流出を防げます。ネットワークから切断するには、LANケーブルを抜く方法が有効です。Wi-Fiで接続している場合は、Wi-Fi接続をオフにしましょう。
機内モードをオンにするとWi-Fi接続をオフにできます。ネットワークから切断すればウイルスの活動を一時的に抑制できます。しかし、ウイルスの種類によっては、ネットワークから切断しただけでは不十分な場合もあるため、油断は禁物です。
何よりも先にネットワークから切り離してください。
他に被害を広げないことが先決です。
セキュリティソフトでウイルススキャンを実行する
セキュリティソフトのウイルススキャンを実行すれば、ウイルスを見つけて削除できます。具体的な手順は以下の通りです。
- ウイルスソフトの更新(ネットワークを切った場合は、本手順は一旦スキップでOK)
- フルスキャン実行
- スキャン中の使用制限
- ウイルスの隔離・削除
- 結果確認と対応
ウイルススキャンには時間がかかりますが、徹底的にチェックできて効果的です。スキャン後もセキュリティソフトを常に稼働させましょう。定期的な自動スキャンを設定しておくとより安心です。不審なファイルを見つけたら、個別スキャンで対処してください。
ただしウイルススキャンを実行しても、完全に安全とは言い切れません。パスワードの変更など、追加のウイルス対策も検討しましょう。
ネットワークを切っていてもウイルススキャンはできるの?
大抵のウイルス対策ソフトは大丈夫。
オフラインでスキャンして何も見つからなければ、ネットワークに繋いで更新してから再スキャンすると安心ね。
パソコンを初期化する
パソコンを初期化すれば、ウイルス感染から回復可能です。初期化でパソコン内の全データが消去され、出荷時の状態に戻ります。Windowsパソコンの初期化の手順は以下のとおりです。
- データをバックアップする
- Windowsの設定で「回復」を選択する
- 「このPCを初期状態に戻す」をクリックする
- 「すべて削除する」を選択する
- 「ファイルの削除のみ行う」または「ドライブを完全にクリーンアップする」を選択する
- 初期化プロセスを開始する
初期化が完了したら、Windowsの初期設定をして、必要なソフトウェアを再インストールします。次にバックアップしたデータを復元し、セキュリティソフトをインストールして最新の状態に更新してください。システムとアプリケーションのアップデート実行をおすすめします。
初期化は効果的な方法ですが、データも完全に消去されます。重要なファイルは必ずバックアップを取りましょう。初期化後のセキュリティ対策も欠かせません。
データのバックアップして、初期化なんてできる自信ないよ…
確かに少しハードルが高いですよね。
今は代行してくれる専門業者もあるから調べてみて。
専門業者に依頼する
ウイルスに感染してしまいウイルス対策ソフトでも駆除出来なかった場合、ウイルススキャンをしても何も見つからないのに動作が不安定なままの場合、そのままパソコンを使い続けるのはリスクが高いです。
費用はかかってしまいますが、問題の確実な解決には専門業者への依頼をオススメします。
専門業者は高度な診断ツールや専門的な技術を有しており、安全かつ迅速にパソコンを修復できます。データの復旧や保護にも対応してくれる点が魅力です。
業者を選ぶ際は個人情報など大切なデータの漏洩リスクがないか、しっかり確認しましょう。
修理後のアフターケアやサポートをしてもらえる業者もあります。
専門業者に依頼することで、時間と労力の節約はもちろんストレスも軽減できます。
パソコンのウイルス感染を防ぐ方法
パソコンのウイルス感染防止には、以下の対策が有効です。
- ソフトウェアとOSを定期的にアップデートする
- 信頼性の高いセキュリティソフトを使用する
- 不審なメールやリンクを開かないようにする
- 安全なネットワーク接続を使用する
- 定期的にデータをバックアップする
日常的な上記の対策で、ウイルス感染リスクを大幅に減らせます。
ソフトウェアとOSを定期的にアップデートする
ソフトウェアとOSの定期的なアップデートにより、パソコンのウイルス感染予防が可能です。最新状態の維持によりセキュリティの脆弱性を修正し、新たな脅威からパソコンを守れます。更新プログラムは必ず信頼できる公式サイトからダウンロードしましょう。
更新履歴や変更内容を確認してから適用すれば、より安全に更新作業ができます。定期的にアップデートすると、パソコンのセキュリティも強化され、ウイルス感染のリスクを減らせます。
信頼できるセキュリティソフトを使用する
信頼できるセキュリティソフトの使用は、パソコンのウイルス感染を防ぐ上で重要です。安全性の高い有名メーカーの製品を選びましょう。無料版よりも機能性の高い有料版を使用すると、より安全です。
リアルタイム保護機能を有効にすると、常時ウイルスの侵入を防げます。定期的なウイルススキャンも必要です。週に1回程度はスキャンしましょう。セキュリティソフトを最新の状態に保てるように、自動アップデート機能を有効にしておくと安心です。
セキュリティソフトには、主に以下の機能が搭載されています。
- ファイアウォール機能
- フィッシング対策機能
- 不要なプログラムの削除機能
- パスワード管理機能
上記の機能を活用すれば、より強固なセキュリティ対策を実現できます。
複数のデバイスを所有している場合は、一括で保護できるプランを選ぶと便利です。
不審なメールやリンクを開かないようにする
パソコンのウイルス感染を防ぐため、不審なメールやリンクは開かないでください。多くのウイルス感染は、不用意にメールの添付ファイルを開いたり、怪しいリンクをクリックしたりして起こります。
閲覧や開封を急がせる内容のメールは要注意です。焦って不用意に行動しないよう、冷静に見極めてください。SNSの不審なリンクや、公共Wi-Fiでの不用意なリンクのクリックも避けましょう。安全性を確認できない状態では触れないことが、ウイルス感染を防ぐための基本です。
安全なネットワーク接続を使用する
ウイルス感染を防ぐには、安全なネットワーク接続が欠かせません。公共の無料Wi-Fiの使用を避け、自宅の安全なネットワークを使用してください。自宅のWi-Fiネットワークには必ずパスワードを設定し、定期的に変更するとより安心です。ルーターのファームウェアは最新の状態に保ちましょう。
古いファームウェアは脆弱性が高いため、定期的に更新してください。VPNサービスを利用すると通信内容を暗号化できるため、より安全にインターネットを利用できます。
定期的にデータをバックアップする
定期的なデータバックアップにより、ウイルス感染から大切な情報を守れます。万が一ウイルスに感染した場合でも、データを失うリスクを低減可能です。外付けハードディスクやクラウドストレージ、USBメモリを利用して、バックアップを取りましょう。
バックアップの方法を組み合わせて、複数の場所にデータを保存すると安心です。手動によるバックアップは手間がかかりますが、自動バックアップ機能を使えば簡単です。
Windowsではファイル履歴機能を使うと、ファイルの変更を検知した際に自動かつ定期的にバックアップできるのよ。
まとめ
パソコンのウイルス感染は、日常的な対策で防げます。
ウイルス対策の知識を身に付けて実践すれば、ウイルス感染のリスクを大幅に減らせます。ウイルス対策には継続的な取り組みが欠かせません。
この記事で紹介したウイルス対策を日々の生活に取り入れて、安心安全にパソコンを利用しましょう。